知り合いに作品のアドバイスを求められた!「他の人の意見を待つ/無難に褒めておく/なぜプロット段階で聞かなかった?(マジレス)」
アドバイスは難しい?
今日は他人様の貴重な原稿に対してどのようなアドバイスをすればいいのかお話ししたいと思います。
たとえば編集者のアドバイスは『お仕事』です。
「アドバイス何すればいいか分かんないよ~」とか言ったら脳内でぶっ飛ばされます。
が、作家仲間でも原稿を見せ合うことがあるかと思います。
しかも作家仲間に原稿を読んでもらうということは、
自分も相手から原稿を読まされるという可能性があります。
仕方がないです。
そういうのがめんどくさいなと思う人は、公募に出して評価シートをもらうのが一番だと思います。運が良ければアドバイスどころかサクッと入賞するかもしれませんよ!(あえて明るく言っています)
書いてはみたけど不安。アドバイスは欲しい。
でも他人の原稿を読んでいる時間は惜しい。
さて、賢明な読者の諸君なら、もう今日の記事がお分かりでしょう。
今日のお話は……
「いかにして他人の原稿を読まずにそれっぽいアドバイスをするか」
です。(ドーン!)
最低だな。俺はちゃんと読んでアドバイスするぞ!
魔法の言葉
一番良いのは誰かが先に意見するの待つことです。
もちろんこれは感想人が複数いて、サイボウズなどのコミュニティサイトなどを利用している場合に限ります。
最初に発言する人は必ず作品を読んでいるはずです。というか自分以外の人はきちんと読んでいるはずです。それらの意見と似たような論調で語ればいいのです。
同調意識というのがあります。
その作品の出来が最高でも、コメント欄で大勢が否定的な意見を述べているならば、自分も最高なんだけどちょっと否定的な部分をわざわざ書いてしまう……。
ありますよね?
LI●NE漫画のコメント欄とか同調コメントで埋め尽くされています。「中身読んでないけど内容はクソ」とか堂々書いてるコメントさえたくさんあります。いやまったく、信じられませんね。
とにかくあなたは先の発言を総合してまとめつつ、最初の5行くらい読んで
「○○な世界観がいいですね!(設定の雰囲気くらいは読み取れるはず)」
「○○のキャラが立っていると思います!(キャラの名前をきちんと入れる)」
「面白かったです!(過去形にすることで読了感を出す)」
くらい補足すれば大丈夫です。
注意点は、絶対に否定的なコメントをしないことです。
なぜなら否定するには「どこどこが悪い」と言わなくてはいけません。
逆に褒められれば多少内容が薄くても悪くは思われません(ありがたがられもしませんが)。
とにかく励ます。『読まずアドバイス』の鉄則です。
ただし相手がやり手で自分を売り込みたいときは、最初もしくは最後にコメントできるといいでしょう。人間というのは最初と最後の発言以外は覚えていません。そこは努力してきちんと読んで誠意をもって答える必要があります。
なぜプロット段階で聞かなかった?
もしも親しい作家友達がいて「俺の原稿、悪いところはないか?」としつこく聞かれたら。良いところはいらないから悪いところだけ教えてくれ、と。
こう答えましょう。
「なぜプロットのときに見せなかった?」
小説は漫画ではないのです。あなたは下読みではないのです。
原稿用紙350枚分の文章を直すのと、A4ペラ2~3枚を直すのではどっちが時間を有効に使えるか考えたことはありますか?
建ててしまった新国立競技場を改築するのは莫大な費用がかかりますが、設計図の段階に白紙撤回すれば被害額は小さい(53億円でしたか)。それと同じように、書き終えてしまった小説を直すより、プロットをいじる方がはるかに有益なのです。
その友達には「大丈夫。俺はお前を信じてる。そのまま公募に出せよ」と優しく肩を抱いてあげましょう。1文字も読む必要はありません。あなたにアドバイスされたところを直しているうちに締め切りがきてしまう方が怖いです。
もしも相手がプロット段階でアドバイスを求めてきたら。
こう言ってあげましょう。
「この作品のウリは?」
「この作品を1行で言うと?」
当然、1文字も読む必要はありません。
相手がきちんと答えられれば、あなたのアドバイスなど無用です。
そのウリや1行ストーリー(これを脚本用語ではログ・ラインなどと呼びます)が面白いか面白くないかを答えてあげてください。
相手が作品のウリやログ・ラインを答えられないようならば「まずそれを考えてから来い」と突き返しましょう。
最低限の骨格も作れていない作品は書く前から駄作です。
これで君も立派な編集者だ
最低な記事でしたね。
全部フィクションですよ! 僕はこんなことしてませんからね!
でも編集さんという人種は多忙ですから、実際にアドバイス求めてきた作家をこうやって突き放すんですよね。万年筆鼻の下にはさみながらね。たぶん。たぶんです。
こんな記事を書くきっかけを与えてくれました記事様のご紹介です。
内海まりおさんの描かれる漫画は腹の底から汚いものを出してくれているようで大好きです。読者になりたいけどはてブじゃないんですよねー。
では、今日はこのへんで。良い執筆活動を!