読者を可視化する51の方法(そんな数もない)
電子書籍は身内だけで盛り上がってる?
前の記事から引き続きです。
Hybrid Libraryのように徒党を組んで(今はこの表現に収まると思う)電子書籍の宣伝をしていると、どうしてもTLに流れてくる情報が内輪や身内で埋め尽くされてしまうので――お互いの作品をお互いで宣伝し合っているだけ――このような感覚を抱いてしまうのかもしれません。
じゃあその実感ではない部分はどうなのか。
一つ重要なことを忘れていたのですが、
読者の存在を示すたったひとつの冴えた証拠って、売れたこと、なんですよね。
冷静に考えてみるとHybrid Libraryで「ひめとり!」が売れまくっているのを見れば「読者」はいます。僕に見えていないだけです。
あれー、なんで見えないんだろうなー?
と思いましたが、基本的にTwitterしか見ていないせいです。
あと僕、まだ電子書籍で本出してないんですよね。そりゃ見えないよ、と。
読者を可視化する51の方法(そんな数もない)
電子書籍を売るために重要なのは『宣伝スキル』――野心的KDP作家のあいだではすでにその認識が広がりつつあります。
宣伝力ではなく宣伝スキルといったのは理由があります。○○力という言葉にするとわかりやすくて便利ですね。あと○える化って言葉もナウで小役人チックです。
「読者を見える化して宣伝力向上を目指す委員会」
あ~、クソの役にも立たなさそうですね。
宣伝をになうのは基本的に個人です。
企業であれば、さまざまなメディアで広告をうつことができますが、個人の財源では無謀です。純粋な殴り合いでは企業には勝てません。
だから技で勝負するしかない。つまり宣伝スキル。
ここで潜在読者という造語をつくります。#生成動詞
これから読者になってくれる可能性が1%でもある人のことをそう呼ぶことにします。この記事を見ているあなたもわたしもポッキーも潜在読者です。
電子書籍はネットありきのものですから、基本的にその世界に浸っている人々が潜在読者です。1か月に1度しかPCを見ない人がいたら、その人は潜在的読者ではないと考えていいと思います。
我々はこの潜在読者に向けて宣伝していく必要があると考えます。#主語が大きい
個人なり少数徒党なりで実現可能な、潜在読者とのコミュニケーションをもたらすものには何があるのか?
やはりSNSです。(3年後のTwitterがどうなっているかは分かりませんが…)
自分の利用するSNSに引き込むことは難しいですが、もともとそこにいる潜在読者を『見える化』して読者にレベルアップさせることは不可能ではありません。
また電子書籍を本気で売るということは、イコール、自分をブランド化していくのと同じことです。ブランド化についてここでは詳しく述べませんが、
電書オリジナル小説を購入する最初のとっかかりは「この人の作品だから買う」がほとんどだからです(※サド主観)。 なんの下地もなくいきなり電子書籍を出版したところで売れることがないのは自明です。
「なんか面白いことやってる」「あのグループ楽しそう」
仲間内で盛り上がっているのを見れば、その輪に入りたいと思う人(作家)が出てくる。輪が広がれば電書が売れる。電書が売れれば潜在読者にアピールしやすくなる。その結果、読者が生まれる。
(ここだけ見るとリア充がウェイウェイやってる感じっぽい。読者を可視化するというか、読者を生み出す方法論になりつつある……)
ともかく読者とダイレクトなやり取りができるSNSのメリットは、ますます重要になってくるでしょう。潜在読者をあぶりだすのデス。
もちろん続けて本を購入してもらうには、作品が重要なのは言うまでもありません。
大手レーベルに見切りをつけた師匠(※平沢進)みたいに、その作品が通りすがりの人でさえ思わず立ち止まるくらいの力を持っていないと、個人の作品などすぐに誰も見向きしなくなります。
すなわち、いくつかを無料で公開してでも、その先をお金を払って買いたくなるような作品を担保する必要がある……。
趣味としてやってる人ばっかで、「これで一旗あげて食っていってやる、誰にかに目をつけられて書籍化したり映画化したりしてやるぜ!」って気概の人がどれだけいるのだろうって。たまに思います。無料とか安売りばっか見てると。
— 弥生肇@10月台湾砲雷 (@Hajimeyayoi) 2015, 9月 23
弥生さんが昨日呟かれていたことは、ただ読んでほしい気持ちばかり先行して、イラスト、編集、デザイン、文章――これらすべてを出版社レベルでそろえて読者に買わせようとする意思(作品で勝負する意思)が少ないことへの憤りのような気がします。
もちろん趣味の出版(無料が戦略的でない場合は趣味です)を否定するつもりがないのは分かってますし、僕にもありませんが、じゃあ逆に、KDPは個人作家の趣味のためのものでしかないのか?と言われたらやっぱり違和感ありますよね。
ここまで書いて、「うち、宣伝が大事とか分かってるのん。やりたくてもやり方が分からないのん」という人が大多数な気がしてきたぞ。
この手の内明かせる人が記事書いてくれることを祈ってますが、僕はダメです。だってほら、まだ電子書籍で出版してないからね。ね? サドさんよくわかんない。
というわけで、このへんで失礼します。
それではみなさんよいKDP(コジン・デンシショセキ・パブリッシング)を。