そういうのは終わり。全部やったうえで売るために必要なものは何だ?
アニメBlu-rayが売れない呟きから考える
漫画原作でアニメ化する→アニメが話題になる→原作の漫画が売れ始める→しかしアニメのBlu-rayは売れないの辛さは、2億近く出してアニメを作った出資社のものが売れず、アニメに全くお金を出してない原作ものが売れるという点。原作売るためにアニメ化したんでしたっけ?となる…
— ぬこP(佐々木まりな) (@nucoxx) 2015, 9月 28
A「はい、その通りです」
B「そんな……」
A「だってさ、『誰もが見られて』『無料で』『一度見せたもの』をパッケージングしても言っちゃ悪いけど商品としては弱いでしょ? ラブ◯イブくらい長い時間をかけてファンを開墾して、露骨に特典商法してようやく儲かるくらいなのに、原作の人気に頼った1クールアニメでBlu-rayが売れると思う方がどうかしてる」
B「アニメ化すると原作が売れる、という現象がそもそもおかしくないですか?」
A「それな。『アニメは原作の婢(はしため)』って言うだろ」
B「『哲学は神学の婢』です……」
A「つまり、
情報が溢れすぎて自分で探す気にもならないので、今の若者の大半はアニメ見て→原作を買うの流れ。この意味においてアニメは紹介動画であり、録画できる紹介動画にわざわざお金を払うなんてばかばかしい。さてここで、それでもブルレイにお金を出させるためには何が必要なのか。
— 茶渡エイジ@恋カケ (@the_3rd_Age) 2015, 9月 29
ということが言えるんじゃなかろうか?」
B「自分で探す気にもならないのは同意です……そもそも本屋に行かなくなりましたね。最近はTwitter見てるだけでアニメ見た気分になっちゃう……」
A「あたしも買う本はTLに流れてきた面白そうな漫画をAmazonでポチるだけになったなぁ。アニメは録画して、脚本に使えると思ったところは全部Evernoteにメモっちゃう。お布施に回すお金もない」
B「貧すれば鈍する……」
ものが売れるために必要なのは
A「ものが売れるために必要なのは何だろう?」
B「マーケティングとかクオリティとか?」
A「はいはい、そういうのは終わり。全部やったうえで売るために必要なものは何だ?って聞いてんだ。よく考えろ!」
B「分かんねーから聞いてんだよ、よく考えろスカポンタン」
A「(怖っ……)」
※さぁ~みんなで考えよう!
A「わかりましたか?」
B「わかりません!」
A「まあいい……正解は『ストーリー』だよ」
B「漠然としすぎてて、よくわかりません!」
A「『文脈』『コンテキスト』『動機』……名前は何だっていいんだが、とにかく『あ、俺はこれを買わなきゃいけないんだ』って顧客に思わせるナニカが必要なの」
A「アニメの例でいえば、『このアニメ面白かった。原作も面白いに違いない!』というストーリーが顧客の中に生まれ、今まで買っていなかった層に原作が売れ始める。Blu-rayが売れないのは視聴者層の可処分所得減少も要因だろうが、それ以上に『2期へのお布施』以上の本質的付加価値が円盤にないことだと思っている」
B「でも作品が手元に残っていつでも見られるって、ファンならそれだけで買う価値がありませんか?」
A「ここで重要なのは、その商品が『値段の割に良いものだ』と顧客に思わせられるかどうか、ということだ」
B「ああ……異常に高いですもんね、Blu-ray」
A「テレビをつけたら『無料で』見られるものを、なんでディスク1枚に2話しか入ってない円盤に1万円も払わなきゃならんのだ、と顧客に思わせる隙を与えてる時点で間違ってるだろ、とあたしは言いたい。さらにいえば、昔のアニメをレンタルしてみろ。1枚に4~6話とかザラだっただろ? CCさくらちゃんのDVDとかお得感の塊だぞ」
B「でもそれは、昔のアニメってゴールデン帯が多くて50話以上あるわけで……今のアニメは基本1クール13話で終わりですよね? 4話入れても3巻、6話も入れたら2巻で終わっちゃうじゃないですか……」
A「それでいいんじゃねーの? 13話を分割してちまちま売り続けた結果がこの惨状だ。需要が少ない→単価が上がる→需要がさらに少なくなる→単価がさらに上がる→以下略……。インフレマックス!」
B「怒りのアニメ・ロード……」
面白い作品なら売れるか
B「それじゃあ、アニメの本数を減らして、面白いアニメだけやればいいじゃないですか。そうすればみんなが同じアニメを見るし、浮いたお金で会社は別のことができますよね?」
A「その『面白いアニメ』は誰がどう決めるんだ?」
B「えーと、原作の売り上げ?」
A「ち! が! う! 『アニメでやるから原作が売れる』構図の話はさっきしただろ? アニメ枠が減る→宣伝の機会が減る→原作が売れない→アニメ枠が減る→以下略! 緊縮路線なんかとったら、今度は怒りのデフレスパイラルが起きるぞ! そもそも少ないアニメ化作家をこれ以上減らしてどうするんだ」
B「夢のない話ですねー」
A「そもそも、面白い作品だったら売れるかっていう議論も確認してほしい。
上記ブログでは、面白い作品が宣伝なしで売れる場合と宣伝しても売れない場合にわけて分かりやすく説明されている。読者を耕すという考え方も重要だ」
『ストーリー』作りはがんばれば誰でもできる
A「『ストーリー』作りはがんばれば誰でもできるし、考えるだけならお金もかからない。この観点を押さえていれば無駄なお金を使うことにはならないと思う」
B「成功するかどうかは、他にもいろんな要因が絡みますけどね」
A「結局、やってみるしかないよ。そうやってもがいている相手に『時間の無駄だ』って言う人間にはなってほしくないな」
B「まあ、そこは人それぞれの価値観というか……この記事だって、読まれなきゃ時間の無駄ですからね」
A「みなさま、よろしくお願いします」
B「あ、媚びた」
A「ところではちまが最初に引用させてもらった日テレプロデューサーのツイートを丸パクリして並べただけでアクセス数稼いでるんだが、頭を悩ませてブログ書くようになってバイラルメディアがいかにクソか肌感覚で分かるようになったぞ」
B「このブログもゴジュッポ=ヒャッポですけどね」